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生前贈与の持ち戻し

母が先日亡くなって、父は既になく、母の遺産を自分も含めて兄と妹の３人で相続する場合の問題です。

母は生前、自分の面倒を兄と兄嫁に見てもらう前提で、母名義だった土地とアパートを兄に名義変更してありました。しかし、実際は、殆ど面倒を見て貰えない状態だった為、アパートの管理は、不動産屋に委託して、家賃収入は、兄は受け取っていませんでした。

そんなおり、母が亡くなりましたが、そういう兄でしたので、遺産は一切兄には渡さないという公正証書遺言を残していました。但し、昔生前贈与した土地とアパートの名義は兄のままです。

私と妹は、母の意志を継いで、生前贈与された土地とアパートを兄の特別受益として、持ち戻した上で相続を実行しようと考えていました。

ここで問題です。
私と妹は、母が生きている間のこのアパートの家賃収入は、母が不動産屋に委託して、管理して居たので、母の財産と考えていましたが、兄が、自分名義のアパートの家賃収入なので、兄のものだから、相続の前に返せという要求をしてきました。

私と妹が、兄の特別受益として、名義の持ち戻し要求をして、相続すれば、家賃収入は全額兄に返さなくて良いのでしょうか？　それとも、持ち戻しとは関係なく、兄のものなのでしょうか？又は、持ち戻しとは関係なく、母の遺産の一部として、相続の対象になるのでしょうか？　教えて下さい。

質問者さそりさん質問日2013年5月11日

弁護士の回答

専門家銀座ブロード法律事務所
回答日2013年5月11日

１　母の兄に対する債務の有無
　兄があなた方に請求権を有するためには，まず，兄が母に対し返還請求権を有していたことが必要です。
　家賃収入は，母が受け取り，そのこと自体は，兄も認識，了解していたでしょうから，母が，兄に返還する予定で，母が家賃収入を預かっていたのかどうかが問題となります。
　母が家賃を受け取るようになったとき，兄との間で，どういう話になっていたのかということになりますが，兄に面倒を見てもらえなかったから，家賃収入を母が取得したというようなことであれば，家賃収入は母に帰属することが，両者で了解されていたのではないかとも考えられます。その場合は，母は兄に対し，返還義務を負いません。
２　債務の支払
　仮に，母の兄に対する返還義務が認められる（債務を負っていた）ということになると，相続開始により，各相続人は債務を相続し，債権者に返還する義務を負います。
　これは持ち戻しとは関係ありません（そもそも，本件では遺産の全部をあなた方に取得させる公正証書遺言なので持ち戻しは関係ないのですが・・・）。
３　返済額
　あなた方が，法定相続分に従い，債務を1/3ずつ相続したと考えれば，兄に返すのは，債務の1/3ずつであって，あなた方が全てを返す必要はありません。
　これに対し，あなた方が，遺産の全てを遺贈されたことにより，相続人当事者間では，債務はすべて，遺贈を受けた者に帰属すべきだという考え方をとれば，あなた方2人で，すべてを兄に返還すべきとういうことになります。

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弁護士の回答

専門家クレド法律事務所
回答日2013年5月13日

賃料収入はお兄さんのものとなるものと思われます。しかし、不動産と賃料収入を含めて特別受益としてもち戻したうえで、遺産分割の協議をするべきでしょう。いずれにしても、一度専門家にご相談されてはいかがでしょうか。

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弁護士の回答

専門家翔洋法律事務所
回答日2013年5月21日

特別受益の持ち戻しとは、相続分を計算する上で、当該贈与を相続財産に組み入れることであって、贈与を取り消して、実際にこれを、相続財産とすることではありません（民法第903、904条）。兄の家賃の返還請求は認めざるを得ず、その代わり、その分を上記のとおり持ち戻し計算することになります。

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弁護士の回答

専門家丸山英敏法律事務所(過去掲載の専門家)
回答日2013年5月13日 回答率の高いおすすめの専門家に無料相談

家賃収入も特別受益として遺産分割すればよいので家賃収入全額をお兄さんに返さなくともよいでしょう。

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